あかいろモザイク

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【ネタバレ注意】『劇場版幼女戦記』感想

先日「劇場版 幼女戦記」を観てきましたので、その感想を書いていこうかと思います。TVアニメは見ていますが、原作は未読です。記事内の「○話」は全てTVアニメの話数と考えて問題ないです。

 

アニメ屈指の良質回が本作の源泉

2017年冬期に放送された同名のTVアニメのその後を描く完全新作として公開された本作。第7話「フィヨルドの攻防」でターニャ・デグレチャフ(以下、本記事ではターニャと略す)が殺した敵兵の娘・メアリーに大きく焦点が当てられた。TVアニメでも1,2を争う良質回である7話、利用価値の高い設定や伏線を劇場版という形で昇華させた。

 

メアリーというキャラ

兵士の娘として描かれていたメアリーは本作においてターニャに立ちはだかる最大の敵として登場した。膨大な魔力で有望株として見られていた一方、父の敵討ちに執着するように戦場で私情を持ち込む危うさも持ち合わせていた。戦闘時における素質や技術力がいくら優れていても、特定の個人への憎みなど心の底に不純なものがあればバッサリ切り落とされるのが軍事の世界。本作とは関係ありませんがスポーツの世界にもいえることですね。

魔力はメアリーほど強力ではない一方で戦場において冷徹かつ論理的に立ち回るターニャとは対照的な存在。後述する戦闘シーンでそれを強く感じさせることとなる。

 

大師団との死闘、圧巻のアクション

今回の戦場は作中世界の東部、ルーシー連邦(以下連邦)が舞台となった。史実におけるソ連であり、イデオロギーや政治体制もそれに準じたものとなっている。今回は連邦やメアリーが属する合衆国軍などによる多国籍義勇軍vs帝国という構図となり、アニメ化されたものでは過去最大規模の戦いとなった。

戦いの進め方は実に本作らしく進めていき、数で攻める多国籍義勇軍の前には苦戦も強いられた。首都攻略の際には帝国国家を高らかに歌うなど大胆さ健在。そして本作最大の見所といえばやはり、ターニャとメアリーが直接火花を散らすシーン。頭の回転の速さで対処するターニャと、憎しみのままに攻め立てるメアリーの対比は当然のこと、劇場版ならではの圧巻のアクションと重低音が効いた音響、そして空戦の躍動感を最大限に引き出す演出に大いに興奮させた。PG12が示す通り、殴り合いや撃ち合いのシーンも躊躇なく描いた。

 

まとめ方も良し。あの回との関連性も

戦闘後、ターニャはまとめ上げた論文と共に後方勤務を志望。後方勤務で平和に過ごしたいターニャの原点的な所に立ち返るも、論文の完成度の高さ(作中で詳しくは描かれず)からか戦闘団の指揮官に任命されてしまうことに。あがいても逃れられない前線での勤務、かわいそうではあるものの本作らしいオチではある。2期やるとしたら、ここからそのままつながるのだろうか。

本作の完成度を高めた要素として、個人的には8話「火の試練」も見逃せない。この話では敵国の一般市民も戦闘に加わる市街戦となり、戦闘後に帝国隊員は残った敵国市民も手にかけるか否かと迫られた。しかしターニャは手にかけないことで"憎しみの芽"になる恐れがあるためにそれを潰すべきだとし、情を魅せるべきではないと各隊員に主張した。劇場版ではそういった"憎しみの芽"の1人としてメアリーが描かれていたので、こういう関連付けからも楽しめた。

 

その他

劇場マナーの注意喚起ではTVアニメ放送時に一部媒体で限定配信されていたミニアニメ「ようじょしぇんき」が復活。厳しい戦場を前に良い清涼剤となった。本作のみならず劇場マナーのコーナーを作内のキャラクター達でやらせるのは個人的に好印象です。

手描きの作画は流石劇場版ともいえるクオリティだったが、CGに関しては並の出来。必要最低限だったのでそこまで気にする必要は無いものの、2期をやるとしたらそこは1つ課題点になるであろう。

 

まとめ

脚本、作画、音響、いずれの面において期待以上の出来となり、2時間という上映時間が良い意味で短く感じられた本作。TVアニメ2期の制作を切に願いたい(劇場内での発表は無かったです)。

 

公式サイト

「幼女戦記」アニメ公式サイト

劇場版「幼女戦記」アニメ公式サイト