あかいろモザイク

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Liverpool FC 2018-19シーズン総括

イングランド・プレミアリーグ所属のリバプールは昨日、2018-19シーズン公式戦の全日程を終えました。今日はリバプールの今シーズンの戦いぶりを振り返って行こうかと思います。なお、本記事においてLiverpoolの日本語表記は"リバプール"で統一します。

 

リーグ戦

1~6節 注がれる高い期待とスタートダッシュ成功

まずはリーグ戦の戦いぶりについて振り返りたい。リバプールは昨シーズン4位で終わり、CL圏内ギリギリではあったものの、CLで準優勝の成績を収めたこともあり開幕前よりシティと共に優勝候補の筆頭に挙げられていた。その下馬評通り開幕6連勝を達成。

この頃のスタメンは現存戦力がメインで、ロヴレンはW杯での負傷が響きマティプがしばらくファンダイクの相棒となった(と思われたが、ロヴレン復帰後もマティプがピッチで評価を高めていったためそのままレギュラーの座を奪取)。補強組では唯一アリソンが早くもスタメンの座を奪取。GKなのに足技で相手を惑わすプレーを見せたが、これが災いし第4節レスター戦では自身のミスから初失点を許してしまった。

 

7~19節 無敗街道と優勝戦線の筆頭へ

その後も順調に勝点を積み重ね、前半戦終了時は16勝3分け0敗で折り返す。ここで挙げた16勝のうち、特にドラマチックだったのが第14節エバートン戦「マージーサイドダービー」。終了間際までスコアレスで試合が進んでいったが、後半ATにエバートンGKピックフォードのボール処理の甘さを見逃さなかったオリギが決勝点を挙げ、ギリギリで勝点3を奪った。

しかし昨シーズン同様、「BIG6」対決では勝点を落としており、2勝3分と勝点を6落とした。後に優勝争いで一騎打ちとなる第8節シティ戦では0‐0のスコアレスドローで終わった。また下位チームとの一戦でもサイドやロングボールを生かした戦術をドン引きカウンター等によって封じられる場面も多く、勝利への道は決して容易ではなかった。

前半戦も試合を重ねていくとシャキリやケイタにも出番が増え、特にこの頃の下位クラブ戦はサラーをセンターにおいて両翼にシャキリ、マネを置く布陣も見られた。序盤ではベンチにすら入れなかったファビーニョも徐々に出番を増やしていった。各ポジションの争いが一番激しかったのは多分この頃。

 

20~25節 直接対決と失速

冬の移籍市場で補強はせず、逆に出場機会が限られていたソランケを完全移籍で、クラヴァンを期限付き移籍で放出。特にソランケは元U20代表であり昨シーズンの目玉補強として期待が集まっていたが、レギュラーを一度も奪えず放出となった。

後半戦最初の一戦となった第20節アーセナル戦では5‐1と大勝し、この地点で2位シティとの勝ち点差は7と、大貯金を有していた。しかしアウェイで迎えた第21節シティ戦では1-2と敗れ、ここで無敗記録がストップした。普通に考えればたかが1敗、しかしここで優勝争いを左右することになるとは思いもしなかった。

この敗戦が尾を引く形となり、リバプールは1月から2月の初めにかけて苦戦を強いられた。第23節クリスタルパレス戦では4点を奪い勝利するも守備の綻びが目立ち3失点、ホームのレスター戦では決め手を欠きドロー、例年なら毎試合大量得点で半ばボーナスゲームと化していた第25節ウェストハム戦ではまさかのドロー。首位こそぎりぎり守れていたが、シティはとの勝ち点差はじわじわと縮まっていた。

豊富な選手層をもつ今シーズンの中盤。3枠のうち、ワイナルドゥムがクロップに重宝される形で一歩リードし、主将ヘンダーソンミルナーファビーニョ、ケイタなどが残る2枠を争う構図となった。

 

26~38節 史上最高レベルの優勝争いへ

優勝争いへ1試合の勝利に重みを増してきた終盤戦。第29節のエバートン戦のドローを最後に全勝し、勝点97でフィニッシュ。リバプールプレミアリーグ参戦後の最高勝点をマークした。

終盤戦もギリギリの勝利がいくつもあった。特に第31節フラム戦ではダイクやアリソンの連係ミスでまさかの失点を許すも、その後得たミルナーのPKで勝利。最終盤を迎えた第37節ニューカッスル戦では、ニューカッスルFWロンドンが大暴れし終盤まで同点だったが、終了間際にオリギが決勝点を挙げ勝点3を拾った。ギリギリとは別だが、実力が拮抗している第34節チェルシー戦では、サラーの超絶ゴールも飛び出た。クロップによるしたたかな戦術に加え、選手の好プレーや時の運が味方する形で勝ち続けられたといえよう。

しかしシティはそれをも上回る勢いで勝点を稼いだ。第24節ニューカッスル戦での敗戦を最後に怒涛の14連勝を挙げ、終盤に逆転*1。シティが昨シーズンに次ぐリーグ歴代2位の記録である勝点98を積み上げてしまう形で悲願のプレミア優勝を逃す形となった。*2

終盤戦に入りようやく(?)ベストメンバーともいえるスタッツが確立し、前述のワイナルドゥムに加え、主将ヘンダーソン、そして精巧なロングパスでチャンスメイクを連発したファビーニョが中盤の3枠に入った。一方で従来の3-4-3に固定化したことで、シャキリが出番を減らした。

 

国内カップ

不運とターンオーバーと早期敗退

選手層に不安を抱えるリバプールはCLおよびリーグ戦への集中を口実に、今季も「また」早期敗退を喫した。 

リーグカップDAZNで放映してくれないのであまり触れないが、初戦でチェルシーと対戦。チェルシー側も若干メンバーを落としたがこちらが落とし過ぎたために敗退。FAカップはウルブズと対戦、こちらもカマーチョなどの若手を投入するもあえなく敗退。

来季はカップ戦向けのメンバーも拡充し、カップタイトルも取りに行きましょう。カップ戦とはいえタイトルはタイトル。

 

チャンピオンズリーグ

グループステージ 死の組をくぐり抜け決勝ラウンドへ

2年連続でCLに参戦したリバプールだが、昨シーズンの順位は4位でポット3からの参戦となった。そのポッド3の宿命もあり組み合わせは厳しいものとなり、フランスのPSG、イタリアのナポリセルビアレッドスターと同組になった。

グループステージはアンフィールドで強さを見せた一方、アウェイで大苦戦。ナポリには終了間際に決勝点を叩き込まれ、格下と思われたレッドスターには2失点の不覚を取った。グループステージ突破は最終節のホーム・ナポリ戦の結果にゆだねられ、この試合で見事勝利。薄氷のグループステージ突破となった。

 

決勝ラウンド 激戦、再戦、奇跡、そして2年連続のファイナルへ

決勝ラウンドにコマを進めたリバプール。初戦は先日ブンデス7連覇を決めたバイエルン。強いチームとガチンコバトルできるワクワク感よりも絶望感が漂った。ホームでの1stレグはいくつかのチャンスを迎えたもののピンチも多くスコアレス。アウェイで迎えた2ndレグは自慢の攻撃陣が大爆発すると共にエースのレヴァントフスキをシャットアウト。2戦計3‐1で準々決勝へと進んだ。

準々決勝はカシージャスを擁するポルトとの2年連続での対戦。1stレグを観ていないので軽く扱う程度だが、2戦合計6-1で難なく突破。この試合とは直接無関係だが、5月にカシージャス心筋梗塞でダウン。完全復活を願う・・・。

準決勝では優勝候補筆頭のバルサと対戦。1stレグではメッシ、スアレスらに完膚なきまでに叩きのめされ、3-0で完敗。2ndレグでは元リバプールスアレスコウチーニョが移籍後初のアンフィールドへ、金とブランドにつられた両者に対し、当然のごとく大ブーイングが響き渡った。試合は1stレグで大暴れした前線やコウチーニョを機能不全にし、ワイナルドゥムとCL男オリギの各2ゴールを挙げ、2戦合計4-3で大逆転勝ち。アンフィールドで奇跡を起こし、2年連続のファイナルへと駆け上がった。

 

決勝 イングランド勢対決を制し、14年ぶり6度目のビッグイヤー獲得!

決勝の相手は同じくプレミアリーグに所属するトッテナム。そのスパーズも、準決勝アヤックス戦で後半ATにルーカス・モウラが劇的決勝弾を決め大逆転を演出した。お互いに対照的な戦術を擁しながらも、似た状況の中で決勝を迎えた。

試合前にはフィルミーノ、ケインの両CFが負傷し開催日ギリギリまで出場可能か分からない状況のまま決勝当日を迎えた。フィルミーノは間に合ったが、ケイタは完治せず間に合わなかった。一方のスパーズも、病み上がりのケインを先発に起用したが、前述のモウラと準決勝の後半の逆襲の起点になったジョレンテがベンチスタートとなった。

試合はいきなり動く。スパーズのシソコがPA内でハンドを犯し、PKを獲得。リバプール躍動の原動力でもあるサラーがキッカーを務め、落ち着いてゴールネットを揺らした。しかしその後は劣勢が続いた。スパーズの厳しいマークもあり得意の形に持ち込めず、好機を作れない。一方でスパーズはソンフンミンがリバプール守備陣に何度も襲い掛かり好機を作るも、ダイクをはじめとした堅守でゴールを許さない。後半の中盤までこれが続く形となったが、87分に途中出場したオリギが追加点を決め試合を決定付けた。試合終了間際にはアリソンの好セーブも連発し、2-0で試合終了。リバプールが14シーズンぶりに欧州クラブの頂点に立った。

これにより、リバプールは6度目の欧州制覇。優勝回数ではバルサバイエルンの記録を抜き、単独3位となった。次なる目標はミランの7回。また8月に開催されるUEFAスーパーカップにも出場し、EL王者チェルシーとのイングランド対決を迎える。

 

選手評価

補強戦力の躍動

前述のCL準優勝に伴う賞金と、昨シーズンの冬の移籍市場でバルセロナに移籍したコウチーニョの移籍資金をフル活用し、大型補強を敢行。

新たな正GKにはブラジル代表正GKのアリソンを獲得。ブラジル人特有の個人技の上手さはGKであるアリソンでも健在。前述のように第4節レスター戦でやらかす一面も見せたが、シーズン通じ圧倒的な安定感を持っておりゴール際のシーンでも安心して見られるようになった。それに伴い、昨季までゴールマウスを守っていたカリウスがベシクタシュに追いやられることになった。ミニョレは引き続き第2GKを務めたが、結局出番があったのはカップ戦2試合のみ。特に今季はカップ戦を思いっ切り捨てていたので本人はどう思っているのか・・・。

中盤では1年前より移籍が決定していたナビケイタと、守備的MFのファビーニョを獲得。ナビケイタはジェラードの背番号8を継承するなど大きな期待の中で今シーズンを迎えたが、年間通じ次第点レベルの活躍が多くなんともいえない結果に。今季に入り再びレギュラーの座を奪ったワイナルドゥムとのポジション争いでも一歩前に出ることができず、終盤は負傷で離脱し最初のシーズンを終えた。ファビーニョに関してはレギュラー獲得は他選手と比べやや遅かったが、年明け以降徐々にチームにフィット。前線へのロングパスがとにかく良く決まり、守備面でもシーズンを通じ安定していた。リバプールの弱点であるCBも務めるなど、様々な面でチームのピンチを救った。

前線では前ストークバイエルン等にも在籍していたシャキリを獲得。前半戦は全体の半分くらいしか出場できなかったものの、出場試合の多くで結果を残した。サラーとは異なりスピードは無いものの、細部の技術やシュートセンスなどで差別化を図った。それが故にポジションの被るサラーとの起用法の所で悩ませた。そんなシャキリも優勝争いが激化すると共に出場機会も得られなくなり、出た試合でも低調なパフォーマンスを見せるように。来季は年間を通じてサラーと共に成長してほしいものである。

 

現状戦力、さらに磨きがかかり、欧州屈指の戦力に

続いては現状戦力について。まず守備陣は補強を行わず、昨季から引き続きファンダイクとロヴレンがCBのコンビを務めるかと思われた。しかしロヴレンがW杯で負傷し開幕前から長期離脱。昨シーズンは控えに甘んじていたマティプがシーズンを通じCBのもう一方を務めた。一方のロヴレンは復帰後もマティプからレギュラーを奪うことができなかった。SBでは昨シーズンから引き続きロバートソンとアーノルドがコンビを組み、攻守で大いに躍動。果敢なオーバーラップからの高品質なクロスないしラストパスを連発し、両者10アシスト以上を記録した。

中盤では昨季、ベンチに甘んじていたワイナルドゥムが活躍。シーズンを通じて見せた強心臓はチームに安定を与えた。中盤に関しては層の厚さからレギュラーが固定されず、激しい競争が繰り広げられていたが、終盤ではヘンダーソンファビーニョを含めた三者がベストチョイスとなった。昨季終盤に負傷したチェンバレンは最終盤に復帰し、昨季に見せた圧倒的なパフォーマンスを早くも披露。来季の完全復活に期待しよう。

攻撃陣は今季もサラー、フィルミーノ、マネの3トップを中心に回った。これに加え両SBも果敢に攻撃参加し、スピードとカウンターで攻め立ててプレミアを圧巻した昨シーズンだったが、今季はその対策が進み、下位相手にも苦戦を強いられることも少なくなかった。特にサラーはプレミア50ゴールまであと1点の所で大ブレーキに陥った。それでもマネの好調と多彩な攻撃パターンで勝ち星を繋いでいき、サラーも無事50ゴールに到達。結果、サラーとマネの両者が22得点を挙げ、プレミアリーグ史上初となる同一チームから2選手の得点王を輩出した。一方のフィルミーノは偽9番として、自ら得点を決めるよりも一歩下がった攻撃参加で得点を次々と演出した。数字では表されていないが、フィルミーノの貢献度は格別に大きいものである。

 

さらなる戦力拡充を

最後に、オフの補強に願うこととしては、まずCBの補強。ダイクが世界最高CBであることは疑いの余地はないが、マティプとロヴレンは試合により安定感に欠けることもしばしば。もう1枚が加われば、ダイクにかかる負担も軽減でき、さらに失点を減らせるはず。さらにカップ戦も(移籍しなければ)2人がいるので勝ち上がれる可能性が広がるはず。次に希望するのは両SBのバックアッパー。ロバートソンとアーノルドのSBコンビはプレミア界でも既に有名になっているが、戦術上の理由や負傷で戦列を離れた時の選手層が心許ない。ゴメスの成長にも期待したいが、両ポジションあと1枚あると安心できる。あとお金に余裕があるなら、フィルミーノの代役も欲しい。リバプールにとって、偽9番の存在はもはや核ともいえるレベル。

 

おわりに

国内において、カップ戦を捨て、リーグで死力を尽くして勝点97を稼ぎながらも、報われませんでしたが、最後のCLで無事に笑い合うことができました。欧州の頂点に導いたクロップ監督には感謝しかないです。1シーズン戦った選手達も、お疲れさまです。

プレミアリーグ開幕以来の悲願であるリーグ制覇と、7度目のビッグイヤー獲得に向けて、今オフの移籍動向を楽しむとしましょう。You'll never walk alone.

*1:第35節あたりまで、シティは国内カップ戦での勝ち上がりが影響する形でリバプールよりも消化試合数が1少ない状態でマッチデイを迎えていた。シティのCL敗退などで日程に余裕が生まれ、消化試合数がリバプールと同じになったときに逆転した

*2:なおリバプールはリーグ歴代3位の記録で、第一次モウリーニョ政権時のチェルシーが記録した95は超えた。また、今世紀の欧州5大リーグにおける「優勝できなかった時の勝点記録」においても、2009-10シーズンのレアル・マドリー(リーガ)が記録した96を1更新した