あかいろモザイク

アニメ、サッカー、ゲームを語るブログ。

『マリオカート ツアー』プレイレポート

マリオカートシリーズの最新作である『マリオカート ツアー』、配信開始から2週間が経過しました。

本作を2週間遊んで、良かった点や気になった点などを挙げていこうかと思います。

 

レース関係

まずは本作の根幹を担うレース内についてレビューしていく。プラットフォームをコントローラによるコンシューマ機から、タッチ操作のみで操作していくソシャゲになり、良くも悪くも大きな変化が表れた。

「手軽さ」を追求したマリオカート。縦画面に不満なし

まず、本作が他のスマホのレースゲームと一線を画している点として、縦画面による操作が挙げられる。一応縦画面で人間が走るタイプのゲームはソシャゲ黎明期からあったもの、カーレースを扱ったものでこれを採用するのは珍しいと思われる。

一部で縦画面による操作に不満の声もあったが、個人的にはこれに関して不満はない。後述のように操作性は満足のいくものではないが、アイテム使用は上下フリック、ドリフトは左右フリックと、直感性と手軽さを追求しているのは良い試みだと思う。

読み込み時間も比較的早く、やり直しをかけるときに無駄な時間を費やさない。ただ、何十回もやるとすると流石に煩雑なので、やり直す際に同じレースにすぐ復帰できるようにする機能を付けてほしいと思う。

 

ポイント>順位。宮本氏の願いが16年越しに叶う?

本作で最も特筆すべき点はレースで目指すものにある。従来の順位に応じたドライバーズポイントを稼いで優勝を目指すのではなく、ミニターボ、ジャンプアクション、アイテムの使用など、レース中で取ることができるアクションによってポイントを稼いでいく。そのポイントに応じて入手できるのがグランドスターであり、コースによっていくつ取れば最大の5つ星が取れるかが設定されている。グランドスターは次のカップを解放するための必須条件であり、また順位のみで次のカップが解放されるわけでは無いので、つまりポイントを稼ぐことが本作の最重要ポイントとなる。

一応順位でもボーナスポイントは付くが、コンボを決めてポイントを稼いだほうが多くつく。1位になれなくてもコンボ次第では5つ星が取れるし、逆に内容が伴わず、最後の最後で大逆転を演じても5つ星が獲得できないこともザラ。結果よりもとにかく内容が重視される。

「アドバンス」以降はランク制が導入され、順位だけでなくレース内容が求められるようになったが、順位が重視されずに内容が求められるシステムが本格的に敷かれるのは同シリーズで初めてとなる。実は2003年に、マリオの生みの親である宮本茂氏が、Web上にてレースゲームに順位をなくしたいと明言していた。本作では、順位こそ廃止されなかったが、順位が目標達成へのいわゆる一要素に落ち着いたという点でこの発言が作品という形で実現したのではないかと感じている。

それが語られているのはこちらのリンクから。2003年4月、「ダブルダッシュ」が出る前の話であった。

www.1101.com

 

コンボをつなけてポイントを稼いでいくも、爽快感はいまひとつか

前述のように、レース中の ポイントで良し悪しが判断される仕様になったわけだが、一部のコースでは大量得点が期待できるような「X」コースが実装された。これは従来のコースにジャンプ台やグライダーポイントを増設しポイントを稼ぎやすくなったものだが、それ以外のコースではポイントを稼ぎにくい、いわゆる空白地帯が多く、コンボをひたすらつないで高得点を狙うという遊び方がやりにくく、アイテムで相手をぶつけたりフィーバーを発動させたりと運要素に頼らなければならない。

また、先ほどのXコースでも、空白地帯があるコースも存在したり地味な動きで繋いで行ったりするシーンもあるため、決して爽快感が強く得られるわけでもない。任天堂は万人向けを標榜して多くのユーザは獲得しているけれど、爽快感のあるゲームを作るのが苦手なのかなと思う。

 

操作性に難あり。細かな操作には独特な感覚を要するが、最低限の配慮も

今のところ本作で一番不満に思っているのはやはり操作面。タッチ画面のみで行われるソシャゲの宿命ではあるが、本作でもその壁にぶち当たった。

まずはドリフト。本作はコンシューマ機のようにトリガーボタンが配備されているわけではないので、マニュアル操作のみでジャンプアクションは省略といった大改革が成された。ただ問題はそこではなく、ドリフトが全体的に外に膨らみやすい仕様となっており、ヘアピンカーブで曲がるには画面いっぱいに横にスライドする必要がある。これに加えて、アナログ入力であったコントローラとは異なる環境下もあってか逆ハンを起こしやすいと感じている。とにかくドリフトによるカーブの走行ややりにくくなった印象である。

また、マニュアル操作をONにするとすべてドリフトを伴うカーブになるので、細かいカーブにはジャイロ操作が必須。ジャイロ未使用の場合は細かいコース取りが非常に難しい。もちろんスティック操作とは異なる感覚を要求されるので、過去作でジャイロを使ってなかった方々にはやや厳しい仕様。

 

しかし任天堂もこの独特な操作性に戸惑うプレイヤーが多数出てくるのを想定してか、いくつかの救済要素を用意してきた。

まずは「8」および「8DX」からハンドルアシストが続投した。逆ハン切ったりドリフトが膨らんでも強引にカーブしてくれるため、よほどのことが無い限りコースアウトしない。しかし悪路を含むショートカットポイントもハンドルアシストの対象内となるため、中~上級者はOFFにして遊ぶべし。

次にアイテムボックスの再出現時間が極端に短くなった。再出現時間は同じくストレスフリー志向の「アーケード」シリーズを凌ぐ速さで、また両端までしっかり判定が発生するため、こちらもよほどのことが無い限りアイテムを取りこぼすようなことはない。もちろん、オートアイテムOFFの場合はちゃんと使い切る必要があるが。

 

ゲームシステム・コレクション関係

続いてはキャラやマシン、課金関係について述べていきたい。

キャラ選択でも大きな改革。ガチャは他のソシャゲに漏れず「課金こそ正義」。

まずはキャラやマシンなど、ガチャで入手できるものについて述べていきたい。

まずは予想通り、キャラやマシンはガチャを通じて入手する仕様になった。ソシャゲといえば高レアリティ=高性能だが、本作は高レアリティ=高得点へのチャンス拡大という立ち位置になっており、無課金でも腕さえ磨けばグランドスター5つを獲得することが可能である(ただ、終盤のカップはスコア設定が厳しいので高レアリティでないと難しい)。

とはいえ、グランドスターの入手が次のカップやツアーギフトの解放条件であるため、また前述のように高得点を狙う場合は高レアリティのキャラやマシンをぶつけないといけないので、結局課金こそ正義となる。特に終盤だと無課金ではカップ解放すらままならなくなるほど。

 

ソシャゲでは異例のスタミナ無し。大英断

本作は他のソシャゲの例に漏れず、基本無料・アイテム課金制を敷いているが、それらのゲームのほとんどにはスタミナ制が敷かれており、長時間継続して遊ぶためには課金アイテムを使用しなければならない(最近はスタミナ回復アイテムの普及もあり、そうではなくなっているが)。しかし本作はスタミナ制を非導入。時間の許す限り無限に楽しむことができる。他の有名作では「白猫」ぐらいしか採用していないシステムである。

本作でもβ版では導入されていたようだが、製品版で廃止された模様。ただ、運要素が強い本作でスタミナ制が採用されていたらどうなっていたか。高得点を目指す戦いにスタミナの壁。ランカーにとってプレイ数制限はプレッシャーとなっていたであろう。そういう点において、スタミナ制を採用しなかったのは英断であろう。

 

新たなやりこみ要素「バッジ」

ソシャゲや近年のコンシューマ機ではアチーブメント(実績)制度が敷かれていたが、本シリーズでもついに本格的なアチーブメント制度として「バッジ」が実装された。

バッジを新たに獲得した時にコインや課金アイテムは入手できるものの、バッジ自体に特殊な能力は与えられておらず、ほぼコレクション専用といえる仕様に留まっている。

まぁ能力を付与しちゃうと、上手い人とそうでない人で格差が大きくなるのでこの程度で良いかと。

 

ビジュアル関係

最後はグラフィックや音響面について焦点を当てたい。

コースグラフィックは「7」に近し。端末によっては視認性に問題も?

本作のコースは3DSで発売された「7」に近く、シンプルで高品質を追求。後述のリメイクコースもできるだけ原作を尊重した形となり、8や8DXのように豪華にしすぎて原作破壊、といった真似はしていない模様。

しかし多くの人がスマホを片手に操作するため、「iPhone 5S」以前のモデルや「iPhone SE」などの画面の小さいスマホの場合、カーブするところが分かりにくいのではないか?という疑問がある。シリーズでも特にグラフィックの制約が強かった「アドバンス」では視認性の悪さを補完するように曲線に入ると矢印が出ていたが、本作では視認性をカバーする仕様は現地点では実装されていない。

私は「iPhone8」を使っているが、稀にカーブポイントが分からず逆ハンを切ってしまうこともしばしば。そんなに視認性が悪いならタブレット買えよwと思いたくなるが、経済的な余裕があるわけではないので何とかしてほしい所。

あとはソシャゲだから指で画面が遮られてしまうという問題も。ドリフトで逆ハン切ってるのに気づくのに時間がかかることもまれにあるが、もしこれが横画面だったどうなっていたか。前述のように、縦画面にしたのは確かに英断ともいえる。

 

BGMの質は素晴らしいこと。リメイク曲の徹底した原作再現主義

本作のコースは新作の「ニューヨークドリーム」を除きすべてリメイクコースで、特に本作は「7」の初リメイクが目立つ。それらも3DSの曲ということでしっかり再現できているが、特筆すべきなのは「GC ヨッシーサーキット」であろう。

ヨッシーサーキットはコースの芸術性とショートカットポイントの多さ、求められる技術もあって人気は極めて高く、今回で史上最多3度目のリメイクを果たした。しかし過去2度のリメイク、DSでは音源の貧弱具合もあり微妙なものとなり、「8」および「8DX」では魔改造路線による影響で豪華になった反面原曲にあった重厚感が失われてしまった。そして3度目のリメイクとなった本作では原作再現路線に回帰し、またスマホのそこそこ高いスペックによりついに原曲の曲調が再現された。スペックで暴れたくなるこの頃で、しっかり原曲を尊重した任天堂には拍手しかない。

その他のリメイクコースもほぼ原作準拠なので、過去作コースのリメイクモチベがますます高まってきた。

 

総評

これまでとは大きく異なるプラットフォームの下、様々なチャレンジを施した本作。その多くは違和感なく遊ぶことはできたものの、ゲームを楽しむうえでの中核ともいえる操作性では難があるのが現状。

とはいえ本作もソシャゲなので、従来シリーズのようにいつまでも更新が入らず、ゲームバランスに問題を抱えたままで終わるとは考えにくい。今後のアップデートに期待したい。

 

10月14日追記

Part2を上げました。こちらも併せて読んでいただけると嬉しいです。

akairomosaic.hateblo.jp