あかいろモザイク

アニメ、サッカー、ゲームを語るブログ。

雑記に近い何か

こんばんは。小路あかりです。約1年ぶりとなる雑記です。

サムネは先日twitterやpixivに上げたキルミーベイベーのソーニャちゃん(模写)です。

 

①引っ越しについて

すでにtwitterの方でも何度か報告していますが、来月引っ越します。引っ越し先は地元です。理由に関しては伏せさせていただきます。

実況もまたBSメインになりますが、放送する作品自体は首都圏とほぼ変わらない(強いて言うならテレ東とノイタミナが危ないくらい)ので、向こうでもほぼ変わらず実況はやっていく予定です。週末を除いて最速ではなくなりますが。

 

②今後のブログ活動予定について

今夏は企画ものを立て続けにやり、現在はまたネタが切れて落ち着いている状況です。構想自体はいくつかありますが、実際記事にして面白みのあるものになるかは微妙になりそうなものばかりなので、今の所は企画ものを上げる予定はありません。仮にまたやるとしたらアニメ関係になると思います。

ただ前にもどこかで告知した通り、きららアニメを振り返る企画の補足として、本編で扱いきれなかったデータ集的な記事を10月中旬以降に上げる予定です。あと単発ものとして、今プレイ中のマリオ3Dコレクションの雑感も書くかもしれません。

またブログ自体は、先述の引っ越しのために10月中旬まで更新が止まるかと思います。毎クール恒例で上げていたアニメ感想も今回は上げない方向です(その代わり、twitterで雑感を上げていきます。時間に余裕もあればモーメントでまとめる予定です)。秋以降も同様の記事を上げるかどうかは未定です。ご了承ください。

 

③「きららアニメ史」のあとがき

普段はあまり書くことの無い、記事のあとがきです。

先週から全4Partに分けてうpした「きららアニメ史」。個人的には昔からやりたかった企画で、今回記事を書く時間を確保できたのでこのタイミングでうpしました。

本シリーズの方針としては客観8割、主観2割を目指して書きました。これは前回企画のリアタイしたクールを振り返る企画の反省を反映したもので、最初から方向性を定めて書きました。実際は否定的な文章をほぼ避けるだけで、リアタイしたPart3では主観率が高くなってしまいましたが、主観の割合を濃すぎないように書けてはいたと思います。

また客観の割合を高めた理由としてはもう1つあって、二番煎じを避けたかったというのが大きいです。既出のきららアニメ史系の記事の多くは主観が強く、肯定的な文章もあれば否定的な文章もある印象です。歴代のきららアニメを振り返りたい人や、見たことのないきららアニメを知りたいときに読んでいて不快になったり、特定の偏見を持たないように、気を付けて書きました。個人的な感想を書くのであれば、もっと別の形で書こうと思っています。

また単に作品を羅列するだけでなく、当時の情勢や作品外の(特にメディアミックス関係の)出来事も挙げて厚みを持たせました。羅列するだけならまとめサイトで出来ますが、ここは自由度の高い文章が書けるブログですので、それらも書かないと勿体ないと思いました。実際はもっとまとめたかった話もありますが、まぁ冗長気味になっても読みづらくなるのでそこはバランスも考えて書いたつもりです。

とはいえ今回の企画でも色々課題は見つかったので、次回このような企画をやるときは今回の反省点をしっかり反映させて書いていこうかと思います。こういうのは特にブログに限った話ではありませんが。

 

という感じで今日は締めさせていただきます。お読みいただきありがとうございました。

【Jリーグ】番号フォントについて思うこと。

今日はサッカー関係の記事になります。

先日、Jリーグ選手番号(背番号・パンツ番号)および選手名のフォントを2021シーズンから統一するとの発表がありました。プレミアリーグラ・リーガセリエAなどで導入された制度に、Jリーグが追随した形になります。

今日はその統一フォントが導入されることによるメリットやデメリット、そしてJリーグのユニフォームがどう変わっていくか等、色々語りたいと思います。

 

①導入に至った背景とその考察

www.jleague.jp

統一フォントの名称は「J.LEAGUE KICK」。Jリーグの公式発表では「視認性の向上」が導入の動機としている。選手や審判員、現地観戦者のみならず、やや遠いところから試合を見ることになるTV・ネット観戦者も意識しているとみられている。実際、本フォントの視認性はかなり高い。「4」に関してはやや癖の高い書体にはなっているものの、視認性の観点からは最適解レベルとなっている。

しかし公式ではあまり表にはしていないが、Jリーグブランディング面の向上も今回のフォント統一の目的に入っていると思われる。プレミアリーグならプレミアリーグの、ラ・リーガならラ・リーガのそれぞれの統一フォントが使われており、フォントがリーグのアイデンティティないし名刺代わりになっている一面がある。Jリーグのレベルはまだ海外と比べるとレベルに大きな差はあるが、近年アジア圏での売り込みに積極的である。そういった層に向けて、この背番号=Jリーグという図式を確立し、一種のブランドにしようとの狙いが見える。各番号の下にはJリーグのロゴも入っていますし。

 

②書体はいいが、カラーリング面で「難あり」

ここからはフォントに関するレビューに近い内容で書いていく。まずフォントとしては無難な所を突いてきたかと。リーグ統一フォントというと他のメーカー汎用フォントやクラブが自前で用意したフォントとの差別化を図るために、癖の高いフォントが多い印象にある。ラリーガやプレミアリーグではやや太めの自体に、2010年代ではほぼ絶滅したアーチ型の背ネームを採用したり*1リーグアンでは番号フォントが他よりもやや小振りで、昨季まで使用されていた「1」などの一部数字で癖が強かったりと。それらと比較すると、Jリーグは前述の「4」を除くと無難なつくりになったのではないかと感じている。

書体こそ上出来ではあるが、問題はそのカラーリング。J公式では黒、白、赤、青、黄の5色を用意することを発表した。ホームユニ≒カラーユニのJリーグではあまり問題ないように感じるが、5色しかないことは一部クラブにとっては不都合なこと。30年近く、伝統的な専用フォントを使用してきたジェフ千葉は、ついにそのフォントと別れを告げることに。それだけなら良いが、ジェフは黄色にアクセントカラーとして緑を採用しており、背番号フォントも2000年代半ばの一時期を除いて緑で統一している。しかし今回の統一フォントには緑が用意されておらず、このままいけば来季以降、黒を採用せざるを得なくなる。黄金期だった2000年代のリバイバルとして濃紺アクセントを復活させるなら話は別だが、やや見栄えが悪くなる。なお昨季プレミアリーグに所属し、今季は英2部で戦うノリッジ(クラブカラーはジェフと同じく黄色と緑)も同じような問題を抱えている。

統一フォントのカラーリング問題に対して、ラ・リーガセリエAは柔軟に対応している。レアルでは導入初年度の17-18シーズンにアクセントカラーと同じ水色のフォントを採用し、バレンシアでも18-19シーズンのアウェイ(黒字にオレンジのアクセント)でオレンジを採用した実績がある。また20-21シーズンよりフォントの統一が決まったセリエAでも、19-20終盤に先行導入したローマが2nd用でえんじ地に黄色の縁を加えた統一フォントを披露している。ユニフォームカラーに溶け込んだ対応をしてくれるのは良い試みである(なお、両者とも字形の視認性では難を抱えている模様)。

 

③商業的なメリットは大きい

とはいえ、番号フォントの統一はデメリットだけでないの。先述の視認性向上や、ブランドイメージの確立もあるが、背番号のデザインが1種類になることで、ユニフォームのマーキング(選手名や背番号を入れる作業)に手間やコストがかからなくなる。商業的見地で見れば大きなメリットであり、他リーグもこれを狙ってフォントを統一した経緯がある。

 

④最後に 

ユニフォームの番号フォントの統一について、数か月前に上げた記事では反対と述べていたが、今回発表されたフォントに関しては、懸念していたよりも少しマシな内容であり安心した。しかし細かいところでいくつか問題は抱えたままなので、実際にフォントが統一される来シーズンまでに、問題点に対して何か改善策が出てくれることを望みたい。

 

⑤関連記事

過去に本ブログでアップした、ユニフォーム関係の記事です。こちらも併せて読んでいただけると嬉しいです。

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*1:2000年代初頭まではadidasNIKEでもテンプレートとして採用していたが、現在はほぼ見られない。近年の例ではリバプールが17-18シーズンまで採用していたカップ戦用など、プレミアクラブがカップ戦用にアーチ型を多く採用されている。

【企画】きららアニメ史【Part4:2020年代とこれから】

皆さんこんにちは。小路あかりです。

今回も「まんがタイムきらら」系列のアニメ化作品を振り返っていこうかと思います。

本企画は全4パート構成で進めています。最終パートとなるPart42020年代(2020年)の作品や2021年以降に放送および上映される作品、そして今後の傾向などを扱っていこうかと思います。

 

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①充実きららアニメ陣とコロナ禍の余波を受けた2020年

冬、2020年代最初のきららアニメとして「恋する小惑星」が放送。天体観測を中心に地学を扱った。鋭いギャグやきららの十八番である百合描写はもちろんのこと、夢に向かって駆け抜ける女子高生の青春に真摯に向き合った。もう1本は「ゆるキャン△」のショートアニメ「へやキャン△」が放送。きらら作品史上初のショートアニメ*1となった。短い時間ながら作品の魅力を伝えることに成功した。

春は女子野球をテーマとした「球詠」を放送。王道スポーツものとしての面白さ、多少のブラックユーモア、そしてバッテリーと百合描写を重ね合わせるような描写ときらら作品の新たな可能性を見出した。しかし原作絵から大きく異なるキャラデザや、一部CG、作画の不自然さなど、ビジュアル面で大きく物議を醸した。

夏は「おちこぼれフルーツタルト」が放送される予定だったが、コロナ禍により放送直前に1クールの延期が決定。公式からのアナウンスにより、10月からの放送予定となっている。その代わり(?)として、原作者・浜弓場双の過去作である「ハナヤマタ」が(MX限定ではあるが)再放送されている。なお同一の原作者の(きらら系列で連載されている)異なる2作品がアニメ化されるのは今回が史上初めて。

秋は前述のおちフルの他にもう1本、ごちうさ3期「ご注文はうさぎですか? Broom」が放送予定。「ひだまり」以来8年ぶりにきららアニメの「3期」を掴んだ同作、早くも大きな期待が集まっている。なおアニメーション制作が再び交代されており、今回はエンカレッジフィルムズが担当する。

 

②2021年以降放送・上映予定のきららアニメ

2021年以降もきららアニメは既に多くの放送・上映予定が入っており、いずれも見逃すことはできない。

まずは2021年冬放送予定の2期「ゆるキャン△ Second Season」。きらら界のみならずアニメ界全体を巻き込んだあのアウトドアアニメが帰ってくる。先日には新キャラのキャストも発表された。また先日2期の制作が決定した「まちカドまぞく」の2期にも期待したい。

また、劇場版では「ゆるキャン△」と「きんいろモザイク」の制作が決定済み。いずれも詳細や公開時期は未定。アニメのみならず、映画鑑賞自体が厳しい状況となっているが、公開する頃にまでは元通りになってくれることを願いたい。続報を待とう。

 

③コラム:きららも電子書籍へ進出

2010年代のスマートフォンタブレットの普及により、それまで紙媒体で発行されていた漫画や小説がWeb上で読める電子書籍が各所でサービスを開始している。

きらら作品もLINEマンガなどの大手Webサービスで配信されているが、出版する芳文社も2019年に「COMIC FUZ」のサービスを開始。コミックスやきらら系列4雑誌が本サイトで購読できる他、「ゆるキャン△」などは雑誌から本サイトに発表先を移行している。

店舗での購入や、購入後のスペース確保の問題点が解決されるのはもちろんのこと、昨今の社会情勢もあり、その威力をさらに発揮していると思われる。

 

④今後の傾向(?)・最後に

2010年代半ばより、深夜アニメ全体でアウトドア系の作品も増えており、きらら原作からも「ゆるキャン△」がヒットを飛ばした。きららからも今後はそういった作品が増えてくるのであろうと予想する。またSNSを通じて場所を問わずコミュニケーションを採れる現代、さらに昨今の社会情勢も受けて、キャラクター同士の距離感の在り方に大きな動きが出るのではないかと予想したい。

本企画は以上になります。最後に2020年代に放送された、または放送されるTVアニメと、劇場化作品のリストを掲載して終わりにしたいと思います。ここまでお読みいただきありがとうございました。

 

2020年以降にTV放送された、または放送予定のきららアニメ一覧 ※マギレコは含めず
作品名 掲載誌(略称) 放送時期 アニメーション制作 備考
 恋する小惑星  キャラット  2020年冬  動画工房  
 へやキャン△  FUZ  2020年冬  C-Station  「ゆるキャン△」ショートアニメ(約5分)
 球詠  フォワード  2020年春    
 おちこぼれフルーツタルト  キャラット  2020年秋  feel.  当初の放送予定は2020年夏
 ご注文はうさぎですか?Broom  MAX  2020年秋  エンカレッジフィルムズ  3期
 ゆるキャン△2nd Season  FUZ  2021年冬  C-Station  2期
 まちカドまぞく  キャラット  未定  J.C.STAFF  2期
きららアニメの劇場化作品 ※まどマギは含めず
作品名 掲載誌(略称) 上映日 アニメーション制作 備考
 映画けいおん!  きらら  2011/12/3  京都アニメーション  
 きんいろモザイク Pretty Days  MAX  2016/11/12  スタジオ五組  公式では本作の立ち位置を「スペシャルエピソード」と表現
 ご注文はうさぎですか? Dear My Sister  MAX  2017/11/11  production dóA  制作協力:ディオメディア
 ゆるキャン△  フォワード→FUZ  未定  C-Station  正式タイトルは未定
 きんいろモザイク Thank you!  MAX  未定  スタジオ五組  

 

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*1:わかば*ガール」の扱いについてはPart3参照。

【企画】きららアニメ史【Part3:2010年代後半】

皆さんこんにちは。小路あかりです。

今回も「まんがタイムきらら」系列のアニメ化作品を振り返っていこうかと思います。

本企画は全4パート構成で進めています。Part32010年代後半(2015~2019年)の作品や当時の情勢を扱っていこうかと思います。新日常系やスポーツなど、きららではそれまで扱っていなかったジャンルがアニメ化され、作品外ではイベントやゲームアプリの配信などコンテンツの巨大化が進んだ5年間でした。早速振り返っていきましょう。

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①人気作の続編と「がっこうぐらし」の衝撃が広がった2015年

2014年秋はきららアニメが放送されず、2015年冬は「幸腹グラフィティ」が放送された。「ひだまり」で実績十分のシャフトによる久々の新作。初の飯テロものとなった本作では、可愛さを通り越して性的とも捉えられる食事シーンが物議を醸したが、ここでも友情ないし百合表現が作品の面白さに一役買った。とは言うものの、本作はラブコメというよりはホームドラマ的な百合描写が多く、百合の方向性は1つではないことを本作で示す形となった。

春にはきんモザ2期「ハロー!!きんいろモザイク」が放送。穂乃花ちゃんの準レギュラー昇格や磨きのかかった百合描写、そして1期では展開上見送られた水着回を放送し1期のクオリティを維持した。

夏は「城下町のダンデライオン」と「がっこうぐらし!」の2本が放送。2009年春以来、6年ぶりに1クールで2本が放送された。そのうち「がっこうぐらし!」では1話終盤から始まった衝撃的な展開からハードな世界観を見せ、それまでのきららの常識を根底から覆して大きな話題となった。特に盛り上がりの大きかったニコニコ動画では本早々中に100万再生を達成し、現在は350万まで再生回数が伸びている。しかしニコニコの視聴者層と円盤の購買層の評価が分かれていたこともあり、円盤の売り上げは振るわなかったとされている(なおネットに出回っている売り上げ枚数の多くは参考値なので、知りたい方はググっていただければと)。

夏ではこの2本の他に、「きんいろモザイク」の原悠衣きんモザ以前に連載していた「わかば*ガール」がショートアニメ枠「ウルトラスーパーアニメタイム」内にて放送された。本作はもともと芳文社ではなく創作工房の『乙女通信』で連載されていたが、連載中に休刊となり、その後単行本が芳文社の「まんがタイムKRコミックス」としてリリースされた経緯がある。単行本がきららのレーベルなので、本作をきらら作品として見る者も多い。同年開催された「きららフェスタ2015」には参加した一方、「きららファンタジア」には2020年現在も参戦していないため、きらら作品ではないとの見方もある。なお、仮に本作をきらら作品とカウントすれば、「きららアニメ初のショートアニメ*1」となり、また2015年は「史上初めて同一クールできららアニメが3本放送」という2つの記録が生まれる。

秋はごちうさ2期「ご注文はうさぎですか??」が放送(現在、BS11にて再放送が放送中)。モカ姉などの新キャラが登場した他は1期のフォーマットを維持し、変わらぬ大ヒットを記録。またアニメーション制作には1期からのWhite Foxに加えキネマシトラスも参加しているが、両者ともに2期が最後の制作となった(劇場版や3期は別会社に交代している)。

2015年は史上初めてすべてのクールで最低1本は新作が放送され、計5本(わかばガールも含めば6本)が放送。後述する2018年と並び最多タイ記録となった。

 

動画工房の進出とNEW GAME!が躍進した2016年

2015年では4クールすべてできららアニメが放映されたが、2016年の冬アニメは1本も放映されなかった。この冬アニメはきらら原作のみならず、新作の日常系およびそれに準ずるアニメが1本も放送されなかったクールでもある。日常系ファンの間では厳しい冬になるかと予想されたが、「ゆゆ式」が再放送されたことでひとまず越冬成功。※この時期の再放送は、同年2月に発売されたOVAのプロモも兼ねていると思われる。

そして春では「三者三葉」と「あんハピ」の2作品がアニメ化された。三者三葉では本誌の古参が13年越しにアニメ化されたのに加え、日常系の名作を多く輩出しながらそれまできらら作品を制作していなかった動画工房が初めてアニメーション制作を担当するなど話題性に溢れた作品となった。2003年からの連載で古典的なギャグも多かったが、2016年のきらら作品のファンにも概ね受け入れられた。そしてもう1本のあんハピでは不幸をテーマにしたブラックコメディで新たな笑いを提供した(ちなみに本作はシルバーリンク制作で、こちらも過去に日常系作品で結果を残しているという共通点がある)。なおこのクールは冬の反動として、きらら内外で日常系にカテゴライズされる作品が4~5本同時に放送された空前絶後のクールとなった。

そして夏はゲーム制作を題材とした「NEW GAME!」がアニメ化。「今日も1日がんばるぞい!」の話題度が先行されていたために、ぞいの一発屋になるだけか、ぞい絡みで原作改変されるのではないか等内容を不安視する声も少なくなかった。しかし社会人になっても失わなかった日常の雰囲気や多少のブラックユーモア、コウ×りんを中心とした百合要素など内容でもしっかり結果を残したされた。また「ぞい」も原作通りに、脚色せずに表現した。円盤や関連商品の売り上げも好調で、放送終了から約4か月後に2期制作が発表された。

秋には「ステラのまほう」が放送。プロだった前期のNEW GAME!とは異なり、こちらはアマチュア(同人)のゲーム制作が題材となった。前期作と内容の重複を不安視する声もあったが、こちらはシリアス少なめの日常描写を中心に構成され、また裕美音による腐女子キャラが新たな面白さを提供した。

このクールでは計4本が放送。動画工房シルバーリンクが2本ずつ制作を担当した。特に動画工房三者三葉を皮切りにNEW GAME!(2シリーズ)、アニマエール!、そして恋する小惑星の4作品(計5シリーズ)を制作しており、制作会社別のアニメ化本数はJ.C.STAFF(夢喰いメリーキルミーベイベーうらら迷路帖、まちカドまぞく(2シリーズ))と並び1位である。

その他、年末には「きんモザ」に関する新プロジェクトが続々と始まった。まずは2016年11月に劇場版「きんいろモザイク Pretty Days」が上映された。きらら作品の新作劇場版は「けいおん!」以来5年ぶりの事であった。この1か月後にはスマホ向けゲームアプリ「きんいろモザイクモリーズ」が配信開始された。しかし、序盤の話題性から売上を長期間維持することができず、翌秋のゲームシステムの大幅変更のてこ入れも虚しく、後述するきらファンの配信開始から4か月後の2018年3月にサービスが終了している。

 

③新作・続編ともに安定した2017年

「きららアニメ」が誕生して10年が経過した2017年。この年のトップバッターは「うらら迷路帖」。キルミー以来5年ぶりのJ.C.STAFF制作となった本作は従来の学園モノではなく和風ファンタジーとして描いたのが特徴。とはいえ基本は10代の女の子の友情を描いており、きららの強みである日常描写もキッチリ描かれていた。しかし本作が「ミラク」からの最後のアニメ化作品となってしまった(本作はミラク休刊後「きらら」に移籍し、2018年に完結)。なお同クールには「ひだまり」4期がBSで再放送されていた(TVアニメ化10周年なのに、何故か1期ではなく4期だった)。

春にきららアニメは放送されなかったものの、夏に2期「NEW GAME!!」が放送された。「ぞい」の話題度で注目された1期とは違い、実力と中身で注目された本作、青葉の成長や1期では影の薄かったねねっちの活躍、そしてライバルポジションの新キャラと正統続編として申し分ない出来となった。なお本作放送直前に後述する「きららファンタジア」の制作発表がされ、本作も初期参戦タイトルに名を連ねた*2

なお夏にはもう1本、芳文社が製作に関与したオリジナルアニメ「サクラクエスト」が放送された。地域創生をテーマにした本作は、アニメ放送と時を同じくしてコミカライズが「まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ」レーベルで発売。「まどマギ」の前例のように、本作はきらら作品としてカウントしない声が多い(ただし、同年のきららフェスタには参加している)。

秋には「ブレンド・S」が放送。A-1Pictures初のきらら作品で、放送枠も土曜深夜アニプレ枠という好待遇で迎えた本作(なおアニプレックスがきらら作品に関与したのは「ひだまり」以来4年ぶり。本作を前後してアニプレは「きららファンタジア」などできららとの関わりを再び深めていくことになる)。ごちうさと同じくバイトものだが、こちらはバイト描写が比較的濃く描かれていた。また久々のラブコメものだった本作では百合に慣れ親しんだファンからの反応が不安視されたが、こちらも概ね受け入れられた。また本作ではきらら作品としては珍しい、男の娘キャラのひでりが登場し、界隈を驚かせた(後日、きらファンにも無事参戦した)。

劇場アニメでは9月に「ごちうさ」の劇場版「Dear My Sister」が公開。ココアさんの実家帰省など劇場版らしい特別感のある内容で魅せた(ちなみにTVアニメの劇場版では珍しい、原作エピソードのアニメ化)。アニメーション制作はproduction dóAに交代したが、制作協力として入っていたディオメディアのスタッフも多数参加している。制作は大きく変わったが、作画・キャラデザに大きな変化はないのでご安心を。ごちうさはこの後キャラソンCDの発売などに留まりコンテンツ展開は一旦落ち着くものの、その後OVAや3期等の制作が発表された。

この年はTV3本、劇場1本が放映および上映された。きらファンの配信開始という特筆すべきニュースはあったものの、きららアニメ自体は比較的おとなしい年だった。

 

④「ゆるキャン△」ブームとジャンル拡大が続いた2018、2019年

独立創刊15周年の2018年、冬は「スロウスタート」「ゆるキャン△」の2作品が放送され、約2年ぶりの2本立てとなった。スロウスタートは久々に王道日常系ともいえる展開だったが、主人公の花名が浪人という設定を持っており、多少のスリリング要素を含んだ作風となっている。なお制作は前期のブレンド・Sから引き続きA-1 Pictures*3が担当し、一部の製作委員会の組み合わせやMXおよびBS11の放送時間も同作から引き継ぐこととなった。そしてゆるキャン△では人気が拡大しつつあったアウトドアものを扱った他、従来のきらら作品には無かった関係性などが高く評価され、瞬く間に大ブームを引き起こした。結果、同年10月のイベントで2期、劇場版、ショートアニメ(へやキャン△)が一斉に発表され、コンテンツとして空前の大成功を果たした。

春は「こみっくがーるず」が放送。マンガ家の女子高生4人の共同生活を舞台に、日常や努力、友情を描いた。シリーズ構成は高橋ナツコが担当したが、自身の過去作でのトラブルから一部界隈から不安の声も上がっていた。しかしラスト2話のアニメオリジナル展開をはじめ、内容は概ね受け入れられてた模様。夏にはきららアニメとしては初めてスポーツ(ビーチバレー)を扱った「はるかなレシーブ」が放送。アスリートしての肉感を忠実に再現した作画と確かな競技描写、そしてペアで行う競技ときららの強みである百合要素の化学反応で完成度の高い一作となった。なお本作は「ハナヤマタ」の影響を受けているとのこと。秋には「アニマエール!」が放送、2年超ぶりの動画工房×きらら作品となった。こちらではチアリーディングを題材に、部員たちの友情や応援による周囲との助け合いをメインに描いた。以上のように2018年は5本が放送され、2015年に並ぶ最多タイを記録。また3年ぶりの全クール放送も達成している。

この年は独立創刊15周年を記念して、11月に東京で「まんがタイムきらら展」が開催。15年間で培ってきたきらら作品の歴史を振り返ることができると共に、本イベントでしか視聴できないオリジナルアニメの上映、そして限定グッズの販売など充実した内容であった。

 

続く2019年だったが、冬春ともにきらら作品が放送されず、2011年夏秋以来となる長い空白の期間が生まれた(この間特別編の放送もなし)。そして夏に3クールぶり、令和初のきららアニメとして「まちカドまぞく」が放送された。結局2019年は本作の1本のみに留まった。1本のみだったのは、翌年以降のごちうさゆるキャンなどの大型タイトルに向けての準備期間だったからと捉えられるか。

好評だった「きらら展」、この年は秋に大阪で開催された。東京開催から出展作品が数本追加し、新たにコラボカフェも開催された。初日の台風による中止もあったが、それ以外のトラブルはなく大盛況のうちに終わった(筆者である私も行きました)。

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⑤コラム:「きららジャンプ」とリアルイベント、そしてきららファンタジアの配信

今回のコラムは3テーマに分けて話していこうかと思います。

まずはきららジャンプについて。2010年代半ばより、きらら作品のOPはどこかで主要キャラクターが一斉にジャンプしているという描写が多く見られるという指摘が各所で見られるようになり、それがいつしか「きららジャンプ」と呼ばれるようになった。2017年頃に入ると公式側でもそれを認知するようになり、「きららファンタジア」では必殺技にあたる「とっておき」を使用した時に発動したキャラクターがこの「きららジャンプ」をしている。なおきらら以外の作品でも同様の表現に対してきららジャンプと呼ばれていることがあるが、逆にきらら内では「ゆるキャン△」のようにOPを制作する際にきららジャンプ禁止令が通達されたケースもある(実際にはサビでテントごと飛んでおり、きららジャンプとして扱うこともある)。

続いてはリアルイベントについて。2010年代半ばに入り、作品単体でのメディアミックス展開のみならず、きらら全体でのイベントを開催するようになった。Part2でも扱った「まんがタイムきららフェスタ!」(2014~2017)に始まり、2018年からは「まんがタイムきらら展」が毎年場所を変えて開催している。とはいえ他のリアルイベント同様、現地に赴かなければならないために地方在住者が行きにくいのは難点である(とはいえ今年新潟で開催されたので、他地方にも波及することを期待しよう)。

最後は2017年12月配信されている、きらら作品のキャラが総出演したスマホ向けゲームアプリ「きららファンタジア」について。異世界を舞台に、きらら作品のキャラで自分だけのチームを組んで戦わせることができる。さらに他作品キャラ間との交流や、本作でしか見られない衣装など見どころ盛沢山となっている。作品世界を再現できるルーム機能も好評。一方の前回のコラムのように、男性キャラが参戦できていない点は一部作品の描写に限界が生まれたり参入障壁が高くなっているとして問題となっている。

リアルイベントの拡大や、きらファンの配信により、作品だけではなく「きらら」そのものを売る動きがみられている。

 

最後に

作品のみならず、きらら全体でも大きな動きのあったこの5年間。最終パートでは2020年に放映された作品と、制作が決定している作品、そしてきららアニメの今後を色々予想していきたいと思います。最後に2015~2019年の間にアニメ化された作品の一覧と、きらら公式のリンクを置いて終わりたいと思います。ここまでお読みいただきありがとうございました。

 

2015~2019年にTV放送されたきららアニメ一覧 ※わかばガール、サクラクエストは含めず
作品名 掲載誌(略称) 放送時期 アニメーション制作 備考
 幸腹グラフィティ  ミラク  2015年冬  シャフト  
 ハロー!!きんいろモザイク  MAX  2015年春  スタジオ五組  2期
 城下町のダンデライオン  ミラク→きらら  2015年夏  プロダクションアイムズ  ミラク休載後、きららに移籍
 がっこうぐらし!  フォワード  2015年夏  ラルケ(スタジオ雲雀)  
 ご注文はうさぎですか??  MAX  2015年秋  White Foxキネマシトラス(共同)  2期
 三者三葉  きらら  2016年春  動画工房  
 あんハピ♪  フォワード  2016年春  シルバーリンク  
 NEW GAME!  キャラット  2016年夏  動画工房  1期
 ステラのまほう  MAX  2016年秋  シルバーリンク  
 うらら迷路帖  ミラク→きらら  2017年冬  J.C.STAFF  ミラク休載後、きららに移籍
 NEW GAME!!  キャラット  2017年夏  動画工房  2期
 ブレンド・S  キャラット  2017年秋  A-1 Pictures  
 スロウスタート  きらら  2018年冬  A-1 Pictures  制作スタジオは放送後、CroverWorksに分割
 ゆるキャン△  フォワード→FUZ  2018年冬  C-Station  1期(2期は2021年冬放送)、2019年にFUZ移籍
 こみっくがーるず  MAX  2018年春  Nexus  
 はるかなレシーブ  フォワード  2018年夏  C2C  
 アニマエール!  キャラット  2018年秋  動画工房  
 まちカドまぞく  キャラット  2019年夏  J.C.STAFF  1期(2期制作決定)

 

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*1:きらら系列で連載され、まんがタイムKRコミックスで単行本化された作品に限れば「ゆるキャン△」のショートアニメである「へやキャン△」が初めてとなる

*2:その他のタイトルはひだまり、Aチャンネルゆゆ式きんモザがっこうぐらしステラのまほう、うららの計8作品

*3:ただし、本作終了直後に同作の制作スタジオはCloverWorksに分割

【企画】きららアニメ史【Part2:2010年代前半】

皆さんこんにちは。小路あかりです。

今回も「まんがタイムきらら」系列のアニメ化作品を振り返っていこうかと思います。

本企画は全4パート構成で進めていきます。Part22010年代前半(2010~2014年)の作品や当時の情勢を扱っていこうかと思います。「けいおん!」の大ヒットから百合モノの台頭、そして「ごちうさ」の登場などきらら史でも特に変化の多い時期になっております。

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けいおんブームに沸いた2010年・2011年

1期で得た勢いをそのままに、2010年に2期にあたる「けいおん!!」が放送。きらら史上初かつ史上唯一の2クールで放映された本作は進化した日常描写と終盤の涙を誘う内容等で圧倒的な人気を獲得。円盤やCD等の関連商品も爆売れし、OP曲「GO!GO!MANIAC」はオリコン週間1位など特筆すべき記録を数々達成した。結果として、きららや京アニのみならず、2010年代前半を代表するアニメの1つに数えられるようになった。そして2011年末にきらら作品史上初となる劇場版が公開。1か月で観客動員数100万人を突破し、半年間で興行収入19億円超を記録するヒット作となった(深夜帯の劇場版では歴代8位を記録)。

2010年ではもう1つ忘れてはいけないのが、冬にひだまり3期「ひだまりスケッチ×☆☆☆」が放送された。きらら史上初でごちうさ以前では唯一だった3期のステージに立った本作では、主要キャラが進級しひだまり荘の新入生として乃莉となずなが新登場。オーソドックスながらも新たな変化を加えたことで飽きを感じさせない内容となった。なお2010年に放送されたのはこの2本のみであり、完全新作のアニメ化が1本も無かった唯一の年となっている。

 

翌2011年では2作品が放送。冬放送「夢喰いメリー」は4コマではない一般的なコマで構成された「まんがタイムきららフォワード」初のアニメ化作品となった。シリアスおよびバトル主体の世界観と作風で従来のきらら作品とは一線を画す展開となったが、原作とは大きく異なる結末で物議を醸した。なお、現在では人気声優の佐倉綾音が初めて主演を演じた作品としても知られる。

春には「Aチャンネル」が放送された。女子高生たちの日常を中心に描いた「王道日常系」に数えられる一作ではあるが、毎回Bパートに挿入歌が入るという特徴的な構成を持っている。なお放送当時は前述のけいおん人気が影響してか、「楽器を持たないけいおん」という評価がされていた模様。円盤の売り上げもそこそこ好調だったが、その後の映像展開は2012年のOVAの発売のみに留まっているのが悔やまれる。

2011年はこの2作品に加え、秋に「ひだまりスケッチ」の特別編(SP)が放送され、計3本が放送された。ただし特別編は2話のみの放送で、フル放送に限れば夏と秋の2クールでスパンを置いたこととなる。2010年代で2クールアニメ化されなかったのはこの年と2019年の冬春間(18秋のアニマエール!から19夏のまちカドまぞくの間)のみである。

 

と、ここまで触れてこなかったが、2011年といえば「魔法少女まどか☆マギカ」が放送された年である。放送前の予想を大きく覆す展開と衝撃的な結末を迎えた本作は社会現象を起こし、現在もシリーズ展開*1が続いている本作は、きらら本誌を発行する芳文社が製作委員会に参加していた。キャラデザは「ひだまり」の蒼樹うめ先生が担当し、芳文社からも関連雑誌(まんがタイムきらら☆マギカ)を発行していたことから「まどマギ」もきらら作品としてカウントする意見も見られるが、他のきらら作品との毛色の違いからきらら作品としてカウントされないことが多い(本記事においてもカウントしないこととする)。

 

②異端児「キルミーベイベー」のアニメ化と2012年の状況

けいおん劇場版が公開された翌月の2012年冬アニメとして、「キルミーベイベー」が放送。多少のバイオレンス描写を含んだ、癖のあるギャグを押し攻めたことが大きな特徴。当時の円盤売上こそ686枚(公式発表ではなく、集計サイトによる参考値)と厳しい結果となったが、その後も熱狂的なファンによる後押しもあり、2013年10月にOVAが発売された(こちらは5000枚ほど売れたとされている)。

その次の春クールには「あっちこっち」が放送。こちらは微ファンタジーのラブコメという部類であり、きらら作品では比較的珍しい男女の交流が主体となって描かれた。制作は「GA」と同じくAICで、きらら原作では2作品目の担当だったが、こちらは特定のスタジオ名ではなく統一名義で制作されている。きらファン参戦おめでとうございます!

この年TV放送されたきららアニメは以上に挙げた2作品と、秋に放送されたひだまり4期「ひだまりスケッチ ハニカム」の3作品だった。ひだまりはシリーズを通じ固定ファンの獲得と円盤の売り上げで安定しており、きららアニメでは唯一4期まで放送された作品である。2012年は史上初めて1年間で3作品アニメ化された年ではあるが、前後の年と比べるとやや大人しい年ではあった(芳文社としてはこの年劇場版が公開された「まどマギ」に注力していたのが大きいか)。

 

③難民枠の概念が生まれ、百合描写が台頭した2013年

2013年に入り、冬こそきらら作品は放送されなかったが、春に「ゆゆ式」が放送。Aチャンネル以来となる王道日常系の新作となった本作では学校行事などのイベントをほとんど描かず、日常描写に徹底した内容が高く評価された。こちらもキルミーのように円盤売上は芳しくなかったとされているが、同様に多くのファンに支えられ、2016年2月にOVAが発売されている。

そして2013年夏には「きんいろモザイク」が放送。国際交流を主軸に王道日常系のフォーマットで展開された本作は、高品質アニオリで入った1話の勢いをそのままに、新作ではけいおん!以来となる2期放送を勝ち取った。さらに同年末には「ひだまりスケッチ」の特別編が放映。ヒロと沙英の卒業編が描かれ、これがアニメシリーズ最後の作品となっている(詳細は次回)。

この2作品の放送を前後して、作品の外では当時ネット文化の中心的存在だったニコニコ動画ニコニコ生放送を中心に「難民枠」という概念が生まれる。日常系アニメのファンがそのクールの作品が終わるたびに次の作品に移住していく、といった思想が広まり、この概念はきらら以外の作品にも該当した。2010年代後半まできららは「難民枠」の最大の供給源として注目されるようになった。近年は「きららファンタジア」の存在や難民の概念を問題視する考えが広まったことにより、死語になりつつある。

またこの頃からきらら作品では女性同士の恋愛、「百合描写」というものにスポットが当てられるようになる。「きんモザ」におけるシノとアリス、綾と陽子のカップリングが公式や二次創作の双方で多く描かれるようになり、後述する「ごちうさ」でもココアとチノ、リゼやシャロの絡みなどをカップリングとして意識する見方が広まっていった。これは2011年、2012年に百合×日常系でヒットを飛ばしたゆるゆり(百合姫)の存在が大きいと思われる(ただし、それ以前の作品に百合描写が見られなかったわけではないので注意)。

こうして2013年、(フルで放映されたのは)2作品しか放送されなかったものの、きらら史の中でもターニングポイントの年になった。

 

④挑戦的作品と新たな看板作が生まれた2014年

2014年に入り、きららからも百合主体の作品がアニメ化。2014年冬に「桜Trick」が放送された。女子生徒同士のキスシーンが毎回描かれるなど、従来よりもワンランク上の関係性を描いた。なお本作は「まんがタイムきららミラク」初のアニメ化作品で、本誌からアニメ化された作品はいずれも従来の日常系の枠から外れた作品となっている。

そして翌クールには、来月に3期放送を控えている「ご注文はうさぎですか?」が放送。こちらも王道日常系のフォーマットを取りつつも、洋風な街並みを舞台に個性的なキャラ達が放つ圧倒的な「かわいさ」を見せた結果、本作は圧倒的な人気を獲得し、早々に2期制作が決定。けいおん!以来となる積極的なメディアミックス・商品展開もあり、きららの新たな看板作に君臨した。

さらに同年夏には「ハナヤマタ」が放送。きららフォワードから久々のアニメ化となった本作は、一般的な部活モノ同様に笑いあり涙ありの起伏ある構造となったが、シリアスなシーンも躊躇なく入ったことで、日常描写特化型の作品が続いていた中でやや硬めの作風となっている。なお原作者の新作である「おちこぼれフルーツタルト」が来月より放送予定。

王道多めの2013年から打って変わって、挑戦的な作品も目立った2014年。この年は2年ぶりに1年で3作品がアニメ化されたが、ここからきらら作品のアニメ化のペースが一気に加速していく。作品外の話題としてはこの年から2017年まで毎年、リアルイベントである「まんがタイムきららフェスタ!」が開催され、その年のアニメ化作品とその声優陣たちが参加した。

 

④コラム:シリアス描写と男キャラの必要性

多くのきらら作品には2つの特徴を持っているとされており、その有無についてよく議論されている。

まず1つ目はシリアス描写が極力避けられている点である。4コマでない「フォワード」を除き多くの作品でこの特徴を持っており、辛いシーンが無く、キャラクター達が幸せそうにしている描写で終始することがきらら作品を支持ないし応援しているファンも多いとされる。しかし裏を返せば起伏がないことになり、刺激を求めているアニメファンからは敬遠されているという現状もある。

 

2つ目に男キャラが主要キャラにいない点である。今回のパートでは「あっちこっち」を除きこの特徴を持っている。これに関しては様々な意見があるが、そのうち代表的なものとして「女の子たちの空間に異性が入ると恋愛描写が入ることがありそれが目障りになる」などといったものがある。特にこの5年間ではこの特徴を持った作品が多く登場したことにより、2010年代後半以降も「きらら=男が出しゃばらない」ことが半ば当たり前のこととして認識されるようになっていった。

しかしこの結果が、後にマイナスに影響した事象もある。その1つにPart3で詳細を取り上げる「きららファンタジア」の参戦要件に壁ができてしまったことである。本作は「男の娘」であるひでり(ブレンド・S)を除き男性キャラクターが参戦できておらず(エイプリルフールのイベントは別)、キャラクターを活躍させるうえで男キャラの存在が不可欠であるあっちこっちが参戦することができていない。微ファンタジー要素を含む本作では参戦すれば活躍すること間違いなしだが、前述のような流れが大きく支持されている現状、参戦に至れていないのは残念でしかない。個人的には、ステラのまほうの裕美音と絡めれば面白くなりそうw

 

最後に・データ集

2010年代前半の5年間のきらら作品は認知度や人気などで飛躍を遂げ、かつ大きな転換点を迎えました。

2010年代前半に放送開始したシリーズのうち、ごちうさは3期が10月より、きんモザは時期こそ未定ですが劇場版の公開が決定しております。両者ともに、映像化のみならずコンテンツが長く続くことを願いたいです。

最後に2010~2014年にTVアニメで放送された作品をまとめます。劇場版に関してはTV作品と比べ本数が少ないので、最終パートでまとめる予定です。最後までお読みいただきありがとうございました。

 

2010~2014年にTV放送されたきららアニメ一覧 ※まどマギは含めず
作品名 掲載誌(略称) 放送時期 アニメーション制作 備考
 ひだまりスケッチ×☆☆☆  キャラット  2010年冬  シャフト  3期
 けいおん!!  きらら/キャラット  2020年春・夏  京都アニメーション  2期、2クール
 夢喰いメリー  フォワード  2011年冬  J.C.STAFF  
 Aチャンネル  キャラット  2011年春  スタジオ五組  スタジオ五組の元請デビュー作
 ひだまりスケッチ×SP  キャラット  2011年秋  シャフト  特別編、全2話
 キルミーベイベー  キャラット  2012年冬  J.C.STAFF  
 あっちこっち  きらら  2012年春  AIC  制作スタジオは明記されず(統一名義)
 ひだまりスケッチ ハニカム  キャラット  2012年秋  シャフト  4期
 ゆゆ式  きらら  2013年春  キネマシトラス  
 きんいろモザイク  MAX  2013年夏  スタジオ五組  1期
 ひだまりスケッチ 沙英・ヒロ卒業編  キャラット  2013年秋  シャフト  4期の後を描いたOVA、全2話(後にBS-TBSでも放送)
 桜Trick  ミラク  2014年冬  スタジオディーン  
 ご注文はうさぎですか?  MAX  2014年春  White Fox  1期
 ハナヤマタ  フォワード  2014年夏  マッドハウス  

 

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*1:スマホ向けゲームアプリ「マギアレコード」もそれにあたる。こちらも2020年冬にアニメ化されている

【企画】きららアニメ史【Part1:2000年代】

皆さんこんにちは。小路あかりです。

今日より新企画として、「まんがタイムきらら」系列のアニメ化作品を振り返っていこうかと思います。

本企画は全4パート構成で進めていきます。Part12000年代(2007~2009年)の作品や当時の情勢を扱っていこうかと思います。その後Part2では2010年代前半、Part3では2010年代後半、そしてPart4では2020年代と今後の動向について語っていこうかと思います。

 

①前史 - きらら創刊と「きらら以前」の日常系情勢

芳文社から発行されている4コマ誌「まんがタイムきらら」。本誌は2002年の5月に創刊され、2003年11月に独立創刊された。現在の通算巻数は後者のものからカウントしており、また周年カウントも後者を参照している*1 。その後姉妹誌にあたる「キャラット」「MAX」「フォワード」「ミラク」が増刊号での創刊を経て、順次独立創刊していった。※ミラクは2017年12月号を最後に休刊。同誌掲載作品は他きらら誌に移籍したものや同号をもって完結を迎えている。

それまで4コマ漫画はファミリー向けが中心だったが、4コマ漫画の若年層への取り入れを狙った本誌は紙面および作品陣を萌え路線にシフト。同路線における先駆者的存在となった。原作単行本のレーベルはフォワード以外の4誌では「まんがタイムKRコミックス」、フォワードのみ、同名から「フォワードシリーズ」が付記される。商標登録の申請が通らなかったため、単行本に関しては「きらら」の名称を採用していない。他の芳文社の4コマ漫画誌同様A4版だが、フォワードシリーズのみ4コマではなくストーリー誌の体制を取っているためB5版を採用している。※本記事ではアニメ作品を中心に扱うが、Part2以降でレーベルに関する記述があるためにここで説明した。

一方の「日常系アニメ」も、きらら創刊とほぼ同時期に確立されており、「あずまんが大王」(月間コミック電撃大王(メディアワークスKADOKAWA))がその代表にあたる。その後2005年からは「ARIA」シリーズ(月刊コミックブレイド(マッグガーデン))が放送されており、こちらも現在の日常系に近い雰囲気を残した作品である。

 

②「きららアニメ」の誕生と2009年までの状況

2007年冬に初のきららアニメとして「ひだまりスケッチ」が放送された(掲載誌は姉妹紙の1つである「キャラット」から)。本作は美術科に通う高校生たちの日常を描いており、美術科の設定を生かした美術描写も軽く取り入られているが、基本的には日常シーン主体で描かれておいる。以後のきらら作品も、作品に差はあれど日常メインに描く作品が多い傾向にある。アニメーション制作は後に「物語」シリーズや「まどマギ」を制作するシャフトで、同社特有の描き方やアングルは1期の頃から確立されていた。一方で2009年にアニメ化された「GA 芸術家アートデザインコース」は、芸術に関する雑学やギャグ、そして学園生活の比重が重きに描かれている。後のきらら作品と比べても、特定のカップリングが組まれるよりも主要キャラ5人が揃って活動していることが多いのも本作の特徴である。

その他、2007年にはきらら本誌から「ドージンワーク」が、2009年には姉妹誌「MAX」から「かなめも」がアニメ化。そして2008年にはきららアニメ初の2期となる「ひだまりスケッチ×365」が放送。1期の面白さはそのままに、キャラデザが今に近付いた(特に夏目のキャラデザが大きく変わっている)。なお2007年夏から2008年夏までの3クールの間、きらら原作の新作が放送されておらず、これは全期間での最長ブランクである。

 

③きららアニメの運命が変わった「けいおん!

2009年には「けいおん!」が京都アニメーション(以下京アニ)制作でアニメ化。 「ハルヒ」などで実績十分の京アニが初のきらら参入となった本作は部活動ものでありながら専門性を極力排除したうえで日常系の雰囲気を維持し、人気を博した。円盤はもちろんのこと、主題歌などの関連楽曲もOPがオリコン週間4位を記録するなどして、高い売り上げをマーク。その他グッズ展開も1期終了地点ですでに200点を超えるなど積極的なメディア展開が成された。2期の制作も早々に決まり、そして伝説となっていくのであった。

 

コラム1:「キャラット」全盛期とギャグ先行の初期きらら

続いては掲載誌別のアニメ化本数をカウントしてみたい。「きらら」は2作品(けいおん!はこちらにカウント)で、「MAX」が1作品だった一方、「キャラット」は4シリーズ3作品、と、姉妹誌の1つであるキャラットのアニメ化が目立った時代であった。

また、この頃は百合描写よりもたわいもない日常やギャグを武器とした作品が多い印象だった(一応、ひだまりの沙英×ヒロなど百合色の濃いカップリングはあったが)。最近の作品を見た後に初期のきらら作品を見るとそのギャップが良く分かるかと。

 

コラム2:放送局と地方での放送事情

最後に放送局について。初期きららを代表する「ひだまりスケッチ」と「けいおん!」はいずれもTBS系列で放送された。TBSは大手4民放の中もっとも深夜アニメに強い局ではあるが、地上波放映は3大都市圏(前者)や7大都市圏(後者)のみで、それ以外の地方系列局では2~3週間遅れで放送されるBS-i(現:BS-TBS)の放送を待たなければならなかった。その後もきらら作品がTBS系列で放送されるケースは多く*2BS放送は2~3週間の遅れを待たなければならなかったが、次第に地上波とBSの時差も縮まってきた。直近に放映された「まちカドまぞく」の場合は、BS-TBSとTBS(地上波)の時差は2日まで縮まっている※他のTBS系列作品もほぼ同様。

かなめも」はテレビ東京系列で放映された。伝統的に深夜帯の強いテレ東であり、こちらは3大首都圏の他に北海道や福岡など地方の系列局もカバーした。しかしBSジャパン(現在のBSテレ東)では放映されておらず、系列局の無い県は有料放送であるAT-Xへの加入が必須だった。なお、きらら作品が新作としてテレビ東京系列で放送されたのはこれが最初で最後(間違っていたらコメ欄でお願いします)。

それ以外の2作品は、TOKYO MXなどのいわゆる「独立局」の放映がメインで、前述の通りBS11も参入前だったため、地方民が視聴するためには地方局がたまたま放送しているのを見るか、またはAT-Xへの加入が必須となっていた。日本全国で多くの深夜アニメを放映してくれているBS11には大いに感謝。

 

おわりに、次回について

今回はきららアニメ初期の3年間を扱いました。きらら人気の原点に迫り、調べていくうちに新しい発見もありました。次回は2010~2014年にアニメ化された作品を扱っていこうかと思います。本企画はPart4まですべて完成済みで、Part2以降は9日(水)、13日(日)、16日(水)に1本ずつ上げます。お楽しみに。

最後にPart1で扱ったきららアニメの一覧と、きらら公式サイトのリンクを置いて終わりにしたいと思います。ここまでお読みいただきありがとうございました。

 

2007~2009年にTV放送されたきららアニメ一覧 
作品名 掲載誌(略称) 放送時期 アニメーション制作 備考
 ひだまりスケッチ  キャラット  2007年冬  シャフト  初のきららアニメ
 ドージンワーク  きらら  2007年夏  REMIC  
 ひだまりスケッチ×365  キャラット  2008年夏  シャフト  2期
 けいおん!  きらら/キャラット  2009年春  京都アニメーション  1期
 かなめも  MAX  2009年夏  feel.  
 GA 芸術科アートデザインコース  キャラット  2009年夏  AIC  制作スタジオは「AICPlus」


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*1:その裏付けとして、15周年を記念しておこなわれた「きらら展」は2018年11月から順次開催されている

*2:2020年春クール終了地点で10作品(1TVシリーズ1作品で換算すると計14作品。ただしひだまりはSP、卒業編を含めず)。まどマギはこれに含めていない

【企画】あのクールのアニメを振り返る【番外編】

こんばんは。小路あかりです。

7月初旬よりスタートした、リアタイ視聴したアニメを振り返る企画。全6本を上げ終えましたが、最後にもう1本番外編として、独立記事にはできなかったものの振り返りたいクールをいくつか挙げていきたいと思います。

本編のリンクはこちらからどうぞ↓

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①2016夏

まずは2016年は春と秋のインパクトがきわめて強力だったが、その間の夏も印象深いクールだった。

このクールといえば何と言っても「NEW GAME!」の1期が放送されたことが大きい。「ぞい」の話題度で先行していたが、本編もしっかり面白かった。社会人による日常系という挑戦的な設定だったが雰囲気はちゃんと出ていたし、社会人特有のちょっとしたシリアスも効いていた。動画工房×きららが勝利の方程式として確立した瞬間であった(前クールの三者三葉と、その後放送されたアニマエール!と恋する小惑星の計4本がこのタッグ)。

日常系やそれに準ずるジャンルはこのクールでも豊作で、そのうちの1つである「あまんちゅ!」は癒しの真骨頂ともいえる出来だった。その他、「91Days」などの隠れた良作にも巡り合えた一方で、オリジナルのロボアニメ「レガリア」は放送中の制作体制の見直しで長期延期となったり、ラノベ作品の「クオリディア・コード」ではおおよそ見ていられないクオリティの作画で終始したりと、問題作も多かった。

 

②2017秋

続いては「ゆゆゆ2期」が放送された3年前の秋。各ジャンルで非常にクオリティの高い作品が並んだ。「宝石の国」ではTVアニメの域を超えた高品質なCGと不思議な世界観と設定に引き込まれた。締め方が中途半端だったので、今も2期を待っている。「少女週末旅行」では世紀末的な世界で懸命に生きる少女たちの、ゆるくも儚い日常譚に癒された。このクールのきらら作品であった「ブレンド・S」では久々のラブコメ物だったが大いに笑わせ、そしてドキドキさせてくれた。そして「ゆゆゆ勇者の章」では1期以上に絶望的な展開の中、未回収だった伏線をきっちり回収しつつ、最高の結末を迎えることができて、本当にホッとした。

その一方でアニメを語るアニメ、「アニメガタリズ」が放送されたのもこのクール。ありそうで無かった設定と共に、アニメの面白いところや感想を共有することの楽しさを再確認させてくれた。

 

③2019夏

最後に、社会人になって一番印象深かったのはクールをピックアップするならば、昨夏クールだろうか。前後のクールに比べると人気作、話題作は少なかったものの、「ダンベル何キロ持てる?」や「通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?」、「女子高生の無駄づかい」など癖の強い作品が多く揃ったクールだった。※「鬼滅の刃」は当時未視聴。

続編ものである「ダンまちⅡ」や「高木さん2」は1期から変わらぬ面白さを提供した。そしてこのクールに新設された放送枠「スーパーアニメイズム」の第1作を飾った「炎炎ノ消防隊」はハードな世界観とド派手なバトルで毎週痺れさせた。ただこの放送枠と放送体制が、後に悲劇を引き起こすのはまだ誰も知る由は無かった・・・。

社会人になり時間が取れなくなったことで視聴本数は9本で精一杯だったが、それでも充実したクールであった。

 

最後に・お知らせ

本企画はこれで以上になります。5年間計20クール分見てきましたが、沢山の発見と感動に出会うことができました。今後もそんな作品たちに出会えればいいと思います。

さて、ここで新企画のお知らせです。「まんがタイムきらら」のアニメ化作品を振り返る企画をやろうと思います。こちらの企画も数パートに分けてうpしていく予定です。来週日曜日より、順次うpします。お楽しみに。