あかいろモザイク

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【企画】きららアニメ史【Part1:2000年代】

皆さんこんにちは。小路あかりです。

今日より新企画として、「まんがタイムきらら」系列のアニメ化作品を振り返っていこうかと思います。

本企画は全4パート構成で進めていきます。Part12000年代(2007~2009年)の作品や当時の情勢を扱っていこうかと思います。その後Part2では2010年代前半、Part3では2010年代後半、そしてPart4では2020年代と今後の動向について語っていこうかと思います。

 

①前史 - きらら創刊と「きらら以前」の日常系情勢

芳文社から発行されている4コマ誌「まんがタイムきらら」。本誌は2002年の5月に創刊され、2003年11月に独立創刊された。現在の通算巻数は後者のものからカウントしており、また周年カウントも後者を参照している*1 。その後姉妹誌にあたる「キャラット」「MAX」「フォワード」「ミラク」が増刊号での創刊を経て、順次独立創刊していった。※ミラクは2017年12月号を最後に休刊。同誌掲載作品は他きらら誌に移籍したものや同号をもって完結を迎えている。

それまで4コマ漫画はファミリー向けが中心だったが、4コマ漫画の若年層への取り入れを狙った本誌は紙面および作品陣を萌え路線にシフト。同路線における先駆者的存在となった。原作単行本のレーベルはフォワード以外の4誌では「まんがタイムKRコミックス」、フォワードのみ、同名から「フォワードシリーズ」が付記される。商標登録の申請が通らなかったため、単行本に関しては「きらら」の名称を採用していない。他の芳文社の4コマ漫画誌同様A4版だが、フォワードシリーズのみ4コマではなくストーリー誌の体制を取っているためB5版を採用している。※本記事ではアニメ作品を中心に扱うが、Part2以降でレーベルに関する記述があるためにここで説明した。

一方の「日常系アニメ」も、きらら創刊とほぼ同時期に確立されており、「あずまんが大王」(月間コミック電撃大王(メディアワークスKADOKAWA))がその代表にあたる。その後2005年からは「ARIA」シリーズ(月刊コミックブレイド(マッグガーデン))が放送されており、こちらも現在の日常系に近い雰囲気を残した作品である。

 

②「きららアニメ」の誕生と2009年までの状況

2007年冬に初のきららアニメとして「ひだまりスケッチ」が放送された(掲載誌は姉妹紙の1つである「キャラット」から)。本作は美術科に通う高校生たちの日常を描いており、美術科の設定を生かした美術描写も軽く取り入られているが、基本的には日常シーン主体で描かれておいる。以後のきらら作品も、作品に差はあれど日常メインに描く作品が多い傾向にある。アニメーション制作は後に「物語」シリーズや「まどマギ」を制作するシャフトで、同社特有の描き方やアングルは1期の頃から確立されていた。一方で2009年にアニメ化された「GA 芸術家アートデザインコース」は、芸術に関する雑学やギャグ、そして学園生活の比重が重きに描かれている。後のきらら作品と比べても、特定のカップリングが組まれるよりも主要キャラ5人が揃って活動していることが多いのも本作の特徴である。

その他、2007年にはきらら本誌から「ドージンワーク」が、2009年には姉妹誌「MAX」から「かなめも」がアニメ化。そして2008年にはきららアニメ初の2期となる「ひだまりスケッチ×365」が放送。1期の面白さはそのままに、キャラデザが今に近付いた(特に夏目のキャラデザが大きく変わっている)。なお2007年夏から2008年夏までの3クールの間、きらら原作の新作が放送されておらず、これは全期間での最長ブランクである。

 

③きららアニメの運命が変わった「けいおん!

2009年には「けいおん!」が京都アニメーション(以下京アニ)制作でアニメ化。 「ハルヒ」などで実績十分の京アニが初のきらら参入となった本作は部活動ものでありながら専門性を極力排除したうえで日常系の雰囲気を維持し、人気を博した。円盤はもちろんのこと、主題歌などの関連楽曲もOPがオリコン週間4位を記録するなどして、高い売り上げをマーク。その他グッズ展開も1期終了地点ですでに200点を超えるなど積極的なメディア展開が成された。2期の制作も早々に決まり、そして伝説となっていくのであった。

 

コラム1:「キャラット」全盛期とギャグ先行の初期きらら

続いては掲載誌別のアニメ化本数をカウントしてみたい。「きらら」は2作品(けいおん!はこちらにカウント)で、「MAX」が1作品だった一方、「キャラット」は4シリーズ3作品、と、姉妹誌の1つであるキャラットのアニメ化が目立った時代であった。

また、この頃は百合描写よりもたわいもない日常やギャグを武器とした作品が多い印象だった(一応、ひだまりの沙英×ヒロなど百合色の濃いカップリングはあったが)。最近の作品を見た後に初期のきらら作品を見るとそのギャップが良く分かるかと。

 

コラム2:放送局と地方での放送事情

最後に放送局について。初期きららを代表する「ひだまりスケッチ」と「けいおん!」はいずれもTBS系列で放送された。TBSは大手4民放の中もっとも深夜アニメに強い局ではあるが、地上波放映は3大都市圏(前者)や7大都市圏(後者)のみで、それ以外の地方系列局では2~3週間遅れで放送されるBS-i(現:BS-TBS)の放送を待たなければならなかった。その後もきらら作品がTBS系列で放送されるケースは多く*2BS放送は2~3週間の遅れを待たなければならなかったが、次第に地上波とBSの時差も縮まってきた。直近に放映された「まちカドまぞく」の場合は、BS-TBSとTBS(地上波)の時差は2日まで縮まっている※他のTBS系列作品もほぼ同様。

かなめも」はテレビ東京系列で放映された。伝統的に深夜帯の強いテレ東であり、こちらは3大首都圏の他に北海道や福岡など地方の系列局もカバーした。しかしBSジャパン(現在のBSテレ東)では放映されておらず、系列局の無い県は有料放送であるAT-Xへの加入が必須だった。なお、きらら作品が新作としてテレビ東京系列で放送されたのはこれが最初で最後(間違っていたらコメ欄でお願いします)。

それ以外の2作品は、TOKYO MXなどのいわゆる「独立局」の放映がメインで、前述の通りBS11も参入前だったため、地方民が視聴するためには地方局がたまたま放送しているのを見るか、またはAT-Xへの加入が必須となっていた。日本全国で多くの深夜アニメを放映してくれているBS11には大いに感謝。

 

おわりに、次回について

今回はきららアニメ初期の3年間を扱いました。きらら人気の原点に迫り、調べていくうちに新しい発見もありました。次回は2010~2014年にアニメ化された作品を扱っていこうかと思います。本企画はPart4まですべて完成済みで、Part2以降は9日(水)、13日(日)、16日(水)に1本ずつ上げます。お楽しみに。

最後にPart1で扱ったきららアニメの一覧と、きらら公式サイトのリンクを置いて終わりにしたいと思います。ここまでお読みいただきありがとうございました。

 

2007~2009年にTV放送されたきららアニメ一覧 
作品名 掲載誌(略称) 放送時期 アニメーション制作 備考
 ひだまりスケッチ  キャラット  2007年冬  シャフト  初のきららアニメ
 ドージンワーク  きらら  2007年夏  REMIC  
 ひだまりスケッチ×365  キャラット  2008年夏  シャフト  2期
 けいおん!  きらら/キャラット  2009年春  京都アニメーション  1期
 かなめも  MAX  2009年夏  feel.  
 GA 芸術科アートデザインコース  キャラット  2009年夏  AIC  制作スタジオは「AICPlus」


www.dokidokivisual.com

*1:その裏付けとして、15周年を記念しておこなわれた「きらら展」は2018年11月から順次開催されている

*2:2020年春クール終了地点で10作品(1TVシリーズ1作品で換算すると計14作品。ただしひだまりはSP、卒業編を含めず)。まどマギはこれに含めていない