あかいろモザイク

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【私見】スマブラDXのオン大会中止と、任天堂が抱える問題について

来月にアメリカで行われる予定だったスマブラDXの非公式オンライン大会が、米国任天堂(NOA)の勧告で中止になった件について、国内外で大きな問題になっています。

スマブラに関しては全作品通じてエンジョイ勢の私ではありますが、他の任天堂ゲームにも通ずる話でもあり、見過ごせないと感じましたので、今回こちらで私見を述べていきたいと思います。

本件に関しての詳細や問題発生に至った経緯については、下記リンクをご覧ください。

automaton-media.com

 

違法性についてと、任天堂が取った対応の正当性

本件でまず問題になっているのは「非公認」のインターネット接続ツールを使用している点と、ゲームの「違法コピー」が使われている点と、「賞金」をかけている点の計3点。

非公認ツールを使用すること自体で既にグレーゾーン(黙認だがチクられたらNG)で、かつ多くのプレイヤーを集めてしかも賞金を懸けたので、NOAが今回NGを突き付けたのは妥当だと思います。非公認ツールを使用することに関してはマジコンと同じことがいえると思いますし、まして個人利用の範疇を超えてビジネスを成立させていたのはマズいと思います。

違法コピーについては特に擁護する余地が無いと思います。実機でやっているプレイヤーはまだしも、メーカーの収益源であるゲームソフトの購入をすり抜けて遊ぶのは一番やってはいけないと思います(この件もマジコンで大きく問題になりました)。

 

最近では国内でも、スマブラのガチ勢コミュニティが終了に追い込まれた件もありました。ガチ勢同士の対戦動画でガチ勢人口を増やすことはとてもいいことですが、団体としてビジネスを成立させていたのはマズかったと思います(※動画配信サービス「Mildom」が関与しているとの説もあり)。特に日本国内では公式大会を定期的に開催しているので、任天堂からしたら迷惑でしかないと思います。

www.smashbros.com

 

任天堂が抱えている「ガチ勢」軽視問題

しかし今回の件で怒りを爆発させている、海外のガチ勢プレイヤーに同情できる部分はあります。何故かというと、任天堂が競技としてゲームを楽しんでいる「ガチ勢」を軽視している部分があるからです。

スマブラシリーズは「X」に入り、パーティゲーム路線を押し出した一方で、一部の仕様(低確率でキャラが転倒する等)を巡りガチ勢からの顰蹙を買いました。また本作から追加されたオンライン対戦では「1on1」「ステージ終点」のいわゆるガチルールが高い人気を集めました。幸いなことに、ディレクターの桜井政博氏がこの問題に対する回答として、「for」からガチ部屋ルールが追加され、ガチ勢にも楽しめるような整備づくりがなされました。定期的なアップデートで環境を支配したキャラクターの性能に調整が入るなど、対戦ツールとしての磨きがかかりました。しかしそれはあくまで最新作に対する措置であり、過去作としてみなされている「DX」に何かしらの還元はありませんでした。過去作のDXの仕様に磨きをかけてもしょうがないという商業的な問題があるので仕方はないとは思いますが。

 

スマブラはまだマシで、もっと酷いものに「マリオカート」シリーズが挙げられます。現在のコンシューマ向け最新作「マリオカート8デラックス」は発売から3年以上経過した今でも、有志によって開催される大会(通称:大規模大会)が行われており、参加者数は年月を増すたびに伸びていってます。しかし本作は特定のキャラとカスタムが1年以上支配的な強さを見せていることや、一部のバグが放置されたままになっているにもかかわらず、3年近くアップデートされていません(最終更新は2018年のリンクの別カラーの追加)。またWeb放送によるマリオカートの大会が任天堂の圧力によって終了を余儀なくされるなど、マリオカートに対する風当たりは強くなっています。

それに対し、任天堂は昨秋にスマートフォン向けの「マリオカート ツアー」が発売されていますが、操作性の悪さやソシャゲを敬遠するファンから評判はいまひとつとなっています。さらに最新作「マリオカートライブ ホームサーキット」も、ホビー色が強いことや居住環境によってはプレイが困難になることで、ガチ勢たちから怒りを買う結果となりました。

 

スマブラに戻りますが、「SP」発売後も、DXの非公式大会は継続して開催されています。SPはゲームスピードをDXに近づけ、周囲の評判も比較的良好ですが、やはりDXの仕様を求めているユーザが多いのもまた事実。そして今回のコロナ禍、オンラインでも開催したかったという想いはわからなくはないと思います。

このように、ガチ勢に対して利益を還元しない体質が、近年問題になっています。

 

本件はあくまで「氷山の一角」

欧米や韓国では新たなゲーム文化として確立し、世界から遅れていた日本国内でも広がりを見せつつあるeスポーツ。その流れは任天堂ゲームでも例外ではありませんが、任天堂自身はこの流れに対して認めないまではいかないまでも冷ややかな立場をとっています。

スマブラDXの大会が中止された件については任天堂の見解が正しいと思っています。しかし、今後もこのような態度を見せたままだと、また同じような問題が発生するとしか思えません。再発防止のためにも、任天堂が何かしらのアクションを起こしてくれることを期待します。